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the uncomfortable chair

好きなものや思ったことなど。

SHARBO X LT3とマルチペンを巡る雑考(2)

筆記具の「用途」は、書くこと以外にもあると私は考えています。とはいえ、書くことを本来の用途とするなら、それはカッコ付きの「用途」となってしまうのかもしれませんが。例えば会議などで多機能ペンを持っているとき、筆記以外の場面ではどうしているでしょうか? 軸を指で撫でてみたり、シャーボだと右に回したり左に回したり、ノック式だとノックで先端を出したり収めたり、スライドレバー式だと代わる代わるレバーをスライドさせてみたり…。手持ち無沙汰なときは、そんな感じでペンをいじってしまいます。

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スライドレバー式のポピュラーなタイプ。上はパイロットのフレフレビートニック、下は日光ペンの多色ボールペン。フレフレビートニックは、多機能ペンでありながらシャープユニットはフレフレ式になっている珍しいタイプ。日光の多色ボールペンは3つのレバーがあるが、その内2つは黒(0.7、0.5mm)。

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軸の中ほどにスライドレバーがついているタイプ。上はKANOE(森田製作所)の2色ボールペン、下はウィルソン4色ボールペン。ウィルソンのボールペンは、昔のスライドレバータイプをモチーフにしたもので、現在も雑貨屋などで手に入る。見た目は高級そうではあるが、天冠部分がプラスチックでしかも塗装が剥がれやすい。いずれも4Cリフィルを使用できる。

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振り子式の多機能ペン。上はパーカーのベクター3in1、下はパイロットの初代2+1。ベクター3in1は横のボタン、初代2+1はクリップの付け根部分を押すことで、先端を収納することができる。ベクター3in1はシャープユニットが珍しい0.7mm。初代2+1は1977年5月発売で、実は初代シャーボ(1977年12月発売)よりも早く発売されている。ステンレス軸に蝕刻加工のグリップが美しい。

このように筆記具には、書くという側面以外にもfidget(手すさび)としての側面もあると言えるでしょう。むしろ、軸の質感やギミックは、フィジェットにおいてこそ味わえると言っても過言ではありません。それは本来の使用ではないとか、筆記具の本質ではないとはいっても、決して見逃せない要素だと思います。場合によっては、筆記よりもフィジェットとして接する時間の方が長いことだってあるはずです。

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初代シャーボとシャーボX LT3。LT3はボールペンユニットが2色あるが、軸の長さや太さは、ボールペンユニット1色の初代シャーボとほぼ変わらない。シャーボを象徴する初代シャーボの格子カッティングは、シャーボXでもラインナップしてほしいところ。

フィジェットの観点から考えると、このシャーボXは非常にありがたい作りになっています。上で挙げた例でいうと、ノックボタンを押したりレバーをスライドさせるとき、音が出るのが困りものです。誰かが会議中や電話で話しているとき、手持ち無沙汰にカチャカチャ音を立てている人がいると、どうしても音が気になってしまいます。これはシャーボの他のモデルにしても同様で、右に回してカチッ、左に回してカチッ、というのがやはりノイズになってしまいます。その点、シャーボXだと先端を出すときにも音が出ないので、いくらいじっても周りに迷惑をかけません。しかもシャーボXは、従来の「右に回すとシャープペンシル、左に回すとボールペン」とは違い、一方向に回し続けることができる(リレー式に先端が出る)点で、フィジェットの選択肢も広がります。

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実はもう一点、シャーボXには「いじってしまう」箇所があります。シャーボXのクリップはバインダークリップなんですが、これもついつい指で開いたりしてしまいます。とはいえこれはおすすめできません。私も調子に乗って(?)何度もクリップをこじ開けていたら、クリップのバネが若干緩んでしまいました…。くれぐれもフィジェットはほどほどに。
  1. 2018/04/10(火) 00:00:00|
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SHARBO X LT3とマルチペンを巡る雑考(1)

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最近よく使うペンというか、まあ、仕事場はマニアの思いを込めたペンケースなど持っていけるような様子ではないので、これ一本あれば間に合うかと思いポケットに入れているうちに、なりゆきで「一日の中で一番よく使う」ようになったのが、この「シャーボX LT3」です。「間に合わせ」のように書きましたが、もちろん適当に選んだわけではなく、もともとお気に入りの多機能ペンなのは言うまでもありません。

軸の色はハーブグリーンで、現在は廃番色となっています。私がシャーボXのシリーズで好きなのがこのLT3のシリーズで、他にもオレンジフレイムやカーキといった色の軸が出ていました。

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表面はマット仕上げになっています。ブラックではよく見かける加工ですが、それ以外のこういった色でマット仕上げになっているのは、非常に珍しいのではないでしょうか。

カラー軸とはいっても派手な色ではなく、表面加工と相俟って落ち着いた風合いになっています。私がとりわけ気に入っているのは、他のシャーボXのシリーズや他のメーカーのものとは違い、先端から尾部、クリップに至るまで一色で構成されているところです。余計な飾りもなく、落ち着いた感じを台無しにするようなキラキラしたパーツも使われていない。現行のLT3はクリップがシルバーの鏡面仕上げになっており、そこになにか「落ち着きのなさ」を感じてしまいます。ちょっとだけ難点を言えば、このハーブグリーンやオレンジフレイム、カーキなども、クリップが光沢仕上げになっているのが残念なところでしょうか。

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これは伊東屋で現在(2018年4月)オリジナル販売されているシャーボX。LT3と同モデルで、赤軸と黒のクリップがマット仕上げ。他のLT3の色に比べて鮮やかだが、それでも落ち着いた感じの仕上げになっている。

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つや消し加工ではありますが、使っているうちに、それなりにつやが出てきました。もちろん表面がツルツルという訳ではなく、ザラザラした表面が、使いこんでいくうちに「こなれて」くる感じというか。木軸の筆記具もそうですが、このこなれて手に馴染んでくる過程こそ、実はマット仕上げの筆記具の醍醐味なのかもしれません。この感触は、例えば研磨剤やみがきクロスなどで同じようにつやを出しても、手に馴染むまでの時間を待たなければ得られないものだと私は思います。

そんなわけで何回かに分けて、このシャーボXや、マルチペン全般について書いていきたいと思います。

  1. 2018/04/03(火) 00:00:00|
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Pentel Kerry 2.0mm mechanical pencil

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ぺんてるケリーの改造芯ホルダーについては、かなり前から作り方についてはまとめていたのですが、説明するのが多少手間が掛かることもあり、紹介するのをついつい先延ばしにしていました。今回、以前作りかけだったものを見つけたので、これを使いながら紹介しておこうかと思います。

ちなみに今回は、なるべくお金を掛けない方法で改造芯ホルダーを作っていきます。ここ数年、中高生を中心にシャーペンを集めるのが流行っているようなので、お小遣いも限られているであろう彼らにも作ることができるよう、工具も「100円ショップ」で入手できるものを使って紹介します。


【用意する工具】

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棒やすり
今回はダイソーで購入した「ダイヤモンドやすり 3本」と「ダイヤモンドヤスリ 半丸型 160mm」を使用します。

ドリル刃
同じくダイソーで購入した「ミニルーター専用超精密ドリルビット(1.2mm)」を使います。別売りのミニルーター本体は使いません。

パイプカッター
金属パイプの切断に使用します。ホームセンターでは1,000円程度で売られていますが、ダイソーでは400円で売られています。

紙やすり(400番ぐらい)
エポキシ系接着剤
カッター
ラジオペンチ

今回は家にあるものを使いましたが、これらも100均で揃えようとすると手に入ります。接着剤は、エポキシ系のものが一番良いでしょう。いわゆる瞬間接着剤は、工作時の扱いも難しく衝撃にも弱いので、今回の改造には向いてないと思います。

シールテープ
「Lamy noto 改造シャープペンシル」でも紹介しましたが、隙間がある箇所に部品を嵌めるときに使います。巻くとテープ同士が密着してパテのようになります(しかもパテのように固まらないので、何度も部品の取り付け直しが出来て便利です)。これは100均では手に入らないかと思いますが、ホームセンター(水道・水廻り用品のコーナー)で100円台で手に入るかと思います。


【作り方】

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2mmシャープの機構には、タジマツールの「すみつけシャープ〈2.0mm〉メタルヘッド」を使用します。クラッチが比較的小さめで、ケリーの軸に入れても先端に近い位置までクラッチが出るので、残芯も少なく、今回の改造に最適かと思われます。定価は1,260円ですが、ホームセンターでは700円台で売っているところもあるようです。使用するパーツは、内部機構と口金の中に入っている戻り止めゴムです(先端から細いピンなどで突くと口金から取れます)。ケリーの方で加工するのは、口金と内部機構のパイプのみです。


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すみつけシャープの内部機構のパイプは、カッターで切ります。芯をホールドしていない状態で、クラッチから測って9cmほどの長さで切ります。画像を見て分かるように、実際は9cmよりは若干短いのですが、最初のうちは長めに切り、組み立てる段階で調整していくのが良いでしょう。ケリーの金属パイプは、だいたい2cmぐらいの長さでパイプカッターを使って切ります。

この2cmの金属パイプをすみつけシャープのパイプにはめていくのですが、すみつけシャープの樹脂パイプの方が太いので、カッターや紙やすりで削って細くしながらはめていきます。力を入れすぎて折れないように注意する必要がありますが、ある程度入った後は、グリグリ回しながら押し込んでいくと、樹脂パイプの周りを削りながら金属パイプが入っていくようになります。


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パイプカッターを使う際には、最初の段階ではパイプを強く締め付けず、軽く刃を当てる感じで徐々に切っていきます(参照)。パイプを回す際にローラーとの接触でパイプに傷がつくことがあるので、パイプには保護用にマスキングテープを軽く巻いておいた方が良いでしょう。切断したパイプの断面は刃に押されて細くなるので、この細くなった部分は、紙やすりを使って削ります。


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内部機構の白いパーツ(スプリングが格納されている部分)にシールテープを巻き、ケリーの軸に押し込みます。シールテープは、押し込んだ時に若干きついぐらいの太さで巻きます。シールテープの幅が白いパーツより太く、パイプの可動部分に巻き込まれる恐れがあるので、巻いた後に白いパーツの幅に合わせてカッターで切っておきます。一回押し込んで再度取り外したい場合は、パイプを引っ張らずに先の方から棒などで押し出して取り外します。


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口金の加工は、以下で述べる手順(1〜4)で作れば少ない工具で上手くできます。

1. ラジオペンチでケリーのガイドパイプを引き抜きます。この際、パイプをつまんだ状態で折ったりせず、そのまま引き抜くようにしましょう(口金に折れたパイプが残ると加工しづらくなります)。

2. 口金の「先端から急激に太くなっていく部分」までを紙やすりで削っていきます(画像参照)。

3. 削った断面を見ると小さな穴が開いているので、丸棒やすりとドリル刃で穴を拡げていきます。やすりはドリルの要領で回しながら拡げると、きれいに削れます。また、穴の幅が偏らないように、口金の外側と内側とで削っていきます。途中、2mm芯が入るかどうか試しながら削っていきましょう。


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4. 芯が通る太さになったら、今度は口金の内側を「半丸型」のやすりで削っていきます。上の「pic6」でわかるように、クラッチが軸から飛び出すので、これに引っかからないようにします。「pic6」のようにクラッチを上向きにした状態で口金を乗せてみて、ノックした時に口金がクラッチに押されて動かないようになればOKです。削った金属粉をきれいに取った後、戻り止めゴムを口金に取り付けます(なお、戻り止めゴムが芯を戻したときに取れるような場合は、乾くまでに時間がかかりますが、木工用ボンドを戻り止めゴムに微量塗って取り付けるといいです)。


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マスキングテープで口金を仮止めして、実際に芯が出るか確認してみましょう。芯が上手く出ない場合は、a. 内部機構のパイプを回して調整する、b. 戻り止めゴムを押し込み過ぎて芯が出にくくなっていないか確認する、c. それでも芯が出ない場合は、内部機構を取り出し、再度シールテープを巻き直して取り付ける…をやってみると上手くいくかと思います。

芯がちゃんと出るのを確認したら、エポキシ系接着剤で口金を取り付けて完成です(はみ出たり、中のクラッチにくっつかないようにできるだけ少量で)。エポキシ系接着剤は固まるまでに時間が掛かるので、取り付けたらマスキングテープを貼って固定しておきます。


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今回、100円ショップに売られている工具だけで作ってみましたが、これだけ上手く出来るとは思っていませんでした。あとは、日本国内だけでなく海外でも手に入る製品を使って改造できないか、検討してみたいところです。ほかにも何か良さそうなパーツがあれば、どなたか教えていただけたらと思います。

  1. 2017/11/09(木) 00:00:00|
  2. 2.0 - 5.8 mm
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Pentel orenznero 0.3mm (PP3003)

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ひさびさの高価格帯・高機能モデルとなる、ぺんてるのシャープペンシル「オレンズネロ」です。このシャープペンシルについては、ぺんてるも相当気合を入れているようで、特別サイトを始めとしてプロモーションも積極的に行われているようです。また、オレンズネロ本体のデザインや、後述するようにグリップの材質や自動芯出し機構などの仕様も、ぺんてるの意欲を感じさせてくれるものとなっています。

オレンズネロについては昨年末あたりから情報が断片的に出始めており、twitterでフォローしている方たちの間でも、いつ発売されるのか、今や遅しと待ち望んでいる状態でした(寸前まで出荷日が未定だったのです)。もちろん私もその待ち望んでいたうちの一人で、入荷日の初日(2月17日)にさっそく購入しました。本レビューでは、その日からしばらく使ってみて、私なりに思ったことを書いてみたいと思います。なお、今回レビューするオレンズネロは0.3mmの方のみになります。0.2mmについては別の機会に(または別の方のレビューに)譲りたいと思います。


機構と書き心地について

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ぺんてる「オレンズ」のシリーズに共通するのは、ガイドパイプから芯を出さずに書ける「オレンズシステム」です。パイプから露出した状態ではすぐ折れてしまうような0.2mmや0.3mmの細芯でも、パイプが外側で芯を保護することで、折れずに書けるようになるという仕組みです。この場合、パイプは芯の摩耗に対応してスライド(後退)しなければなりません。このスライドが滑らかでないと、筆記時にパイプが紙に引っかかる感じになり、書き心地が悪くなります。ノーマルタイプ(ラバーグリップ、メタルグリップを含む)のオレンズではパイプが紙面に触れるたびにパイプが後退し続けます。この機構では、一度のノックで飛び出たパイプの分だけ、ノックをしないで書き続けることができます。

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これに対し、オレンズネロでは「自動芯出し機構」が採用されています。この機構では、パイプが紙面に触れるときはノーマルタイプと同様に後退するのですが、紙面から離れるとパイプが元の長さに戻り、その戻った分だけパイプの中で芯が先へ繰り出される仕組みになっています。つまり、芯を内部のチャックが保持できるかぎり、ノックをしなくても芯が出続け、書き続けることができる機構なのです。これだけ聞くと非常に便利な機構だと思ってしまうのですが、ここには難点があります。つまりこの機構では、パイプが紙面に触れているときにも戻ろうとする力が働いているため、ノーマルタイプのオレンズシステムよりは引っかかりを感じてしまうのです。オレンズネロのサイトでも、この戻ろうとする口金の中のスプリングの力をいかに抑えるか、それに伴い内部機構をいかに調整するかに苦心した様子が書かれているのですが、実際使ってみると、確かに従来のオートマチック機構に比べて改良されているようには思うものの、やはりこの引っかかりや擦れる感じは、ノーマルタイプのオレンズに比べてどうしても気になってしまいます。ただ、この引っかかりは、持ち方を工夫することでかなり改善できます。

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筆記時の先端の部分を拡大すると上図のようになりますが、このとき、パイプの角(◯で囲んだ部分)が紙面をこすると引っかかりを感じてしまいます(とりわけこの図で言えば、左から右へと先端が動くとき、ノーマルタイプですらパイプが後退しにくい状態のため、引っかかりが強くなります)。この角の「当たり」を弱めるには、筆記角度を高くして、芯の接地部分の方を大きくするようにします。つまり、ペンを立てて書くようにすると、引っかかりは軽減できます。

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この時のペンを持つ状態(右)は、従来の持ち方(左)よりも先端を手の側に寄せた状態になります。この高い筆記角度をキープするには、先端をなるべく手から遠ざけないようにする必要があるので、先端の可動域は制限されます。つまり、自動芯出し機構を快適に使うには、ストロークを要する大きな字よりも小さな字向けに使うのが望ましいといえるでしょう。

とはいえ、せっかくのフラッグシップモデルが「細かい字専用」というのは、勿体ない使い方のようにも思われます。そこで個人的には、自動芯出し機構だけでなくノーマルタイプの機構もオレンズネロで使えるようにならないかなと思ってしまいます。実際の使用場面でも、ノック一回あたりの芯の量があれば、何度もノックして思考が中断される…なんてこともほとんどないかと思います(それに「思考の中断」を云々するなら、むしろ消しゴムを使う頻度の方が問題となってくるでしょう)。機構を見るかぎり、口金部分をスプリングがないスライドパイプにすると、ノーマルタイプと同じになるように思われます。オプションパーツでノーマルタイプに変えることができる口金も欲しいところです。


グリップとクリップについて

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オレンズネロの軸で最大のアクセントとなっているのが、この5センチ以上ある長めのグリップです。「樹脂と金属粉を混ぜ合わせた特殊素材」でできた12角のユニークなグリップになっています。特殊素材をはじめて使ったためなのか、型の継ぎ目のような線や仕上げが若干気になるのですが、しっかりとした質感で良い感触だと思います。12角のグリップについてですが、個人的には筆記中に角が指に当たるような気がしました。おそらく、12角グリップは3角や6角のグリップに比べて側面も狭くなるため、指で押さえる時に面だけではなく角にも触れてしまうのがその理由かと思われます。

また実際持った時、持ったところから後の方が重たい感じがしてペンを動かしにくい印象を受けます。これは特殊素材のグリップが長いために、グリップの後ろのほうが「重たさ」となるからと思われます。もちろんつかむ位置を変えると重たさは軽減はされますが、上述した「筆記角度を高くした状態で細かい字を書く」場合では、どうしてもグリップの先をつかむようになってしまいます。デザインにあれこれ言うのは野暮かとは思いますが、このグリップは短くてもいいのではないかと私は考えます。

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クリップはぺんてるのスマッシュと同じもので、小さめです。今までのオレンズシリーズは、クリップが大きくて出っ張っており、さらに軸に固定されて取り外すこともできなかったので、そこだけは何とかして欲しいと思っていました。オレンズネロではデザイン的にも大きなクリップが合わないこともあるのでしょうが、目立たず、また、軸の比較的後部に置かれているため、手にも引っかからない設計となっています。


もうひとつの芯出し機構 - ぺんてるQXシャープ

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オレンズネロを取り上げたからには、比較として触れておきたいシャープペンシルがあります。何故かオレンズネロのサイトでは挙げられていないのですが、1990年にぺんてるはQX(PN305)というシャープペンシルを出しています。値段はオレンズネロと同じ3,000円。12角のグリップといい、全身マットブラックの軸といい、オレンズネロを企画した際に、多少はこのQXを意識していたに違いありません。それでは何故このQXが今回「黙殺」された形になったのでしょうか。それはこのQXの機構が「最適芯出し機構」という特殊な機構になっているからと思われます。この機構は実にユニークで、先端を紙面などに押し付けて離すと、つねに芯が「最適量」露出するという機構なのです。今回のオレンズネロでは、芯がパイプから「露出しない」状態で筆記する機構だったので、QXについては言及し難かったのかもしれません(同様の機構をもつテクノマチックも、今回話題になっていません)。

そこで私が期待するのは、この「nero」シリーズが他の芯径でも展開された場合、0.5mmにこの「最適芯出し機構」を採用してくれるんじゃないかということです。0.5mmなら細芯とは違い、芯をパイプから露出させても構わない(最適量なら折れることもない)し、露出させた方がパイプスライドよりも書き味は良くなるのですから、この機構を採用しない手はありません。まさしく0.5mmのフラッグシップモデルにふさわしい機構と言えるでしょう。ただ気がかりなのは、この機構、非常に便利な機構にもかかわらず、QX以降ほかのシャープペンシルに採用されていない点。もしかしたら非常にデリケートな機構で、展開するのが難しかったのかもしれません。とはいえ、今回のオレンズネロのように意欲的な商品を出したぺんてるですから、これに続いて、また新しい形でQXを復活させてくれるんじゃないかと期待せずにはいられません。

  1. 2017/03/12(日) 18:00:00|
  2. 0.2 - 1.8 mm
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Lamy noto 改造シャープペンシル

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別のところでも書いたように、Wörther Compactのシャープペンシルのユニットを0.7mmに交換した時、余った0.5mmユニットをLamy notoに入れてみたら、上手い具合にシャープペンシルができました。そこでこれを紹介したいと思っていたのですが、内部機構(Schmidt DSM2006)を取り付けるのにちょっと手間がかかるのと、何よりもこの内部機構自体、廃番ではないのですが手に入れるのが困難な点がネックでした。そこで、別のシャープユニットでこの改造に使えそうなものを探して使ってみたところ、Schmidt DSM2006よりも簡単にできたので、今回はこれを使った改造方法を紹介したいと思います。今回使用するシャープユニットなら、Amazonなどでも比較的容易に手に入れることができます。

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【用意するもの】
・Lamy notoボールペン
・プラチナ「アフェクション・スイッチ」専用シャープメカスイッチ(以下「シャープメカ」)
・丸棒やすり
・シールテープ(ない場合はマスキングテープでも可)

丸棒やすりは100均で手に入るようなもので大丈夫です。シールテープは水道工事などで使うもので、粘着剤がないテフロン製のテープですが、これを硬く巻くとパテ状になります。ホームセンターなどで売られていると思いますが、Amazonあたりでも手に入るようです。

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notoは分解し、ボールペンリフィルを取り出します(以下説明の便宜上、ボールペンリフィルが入っているグリップ側は「軸A」、ノックボタンがある側は「軸B」とします)。また、軸Aの中にはバネが入っているので、これも取り出します(バネは割り箸などを中に突っ込んで引っ掛けると取り出せます)。

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ボールペンリフィルが入っていた部分にシャープメカを入れるのですが、この状態では先端の穴が小さくシャープメカが出てこないので、軸Aの中の方から丸棒ヤスリを入れて穴を拡げます。穴を広げ過ぎないよう、時々シャープメカを入れてみながら徐々に削っていきます。少しだけ力を入れてシャープメカが穴に通るぐらいの大きさにします。

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シャープメカにテープを巻き、軸Aに嵌めます。テープは入れた時に若干きつくなるくらい巻きます。シャープメカは、先端から3mmほど出るくらいまで押し込んでいきます。ユニットが先端から出た状態で、少し強めに押してみても引っ込まなければOKです。引っ込む場合はもう少しテープを巻く必要があります。

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軸Bのノックボタンは、長い状態(ボールペンが収納された状態)ならば一度ノックして短い状態にしておきます。この状態で軸Aを取り付けると完成です。

ノックしてみて上手く芯が出るか、芯が出た状態で先端を押してみて芯が引っ込まないか確認します。芯が出なかったり、出ても押せば引っ込む場合は先端があまり出ていない状態なので、軸Aを外してシャープメカを少しだけ押し込んでみてください。また、逆に先端が出すぎている場合は、ノックボタンに「遊び」がでたり、ノックボタンを引っ張ると長い状態に戻ったりするので注意が必要です。

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重量は約15g、重心位置はほぼ真ん中です。クリップが軸から飛び出ていない設計なので、筆記時に軸を回しても手に引っかからず、非常に書きやすいと思います。使ってみると、これはボールペンというよりもシャープペンシルにこそ向いているようにも思えてしまいます。
  1. 2016/03/08(火) 00:00:00|
  2. 0.2 - 1.8 mm
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