
直線的な六角軸とアルマイト処理された軸の色が美しい、ロディアのスクリプトシャープです。ぺんてるケリーを思わせるような口金の曲線も凝っていて、私の好みです。2016年に発売されたオレンジ、ブラック、シルバーと2017年限定のブラウンに加え、2018年はネイビーが限定色として発売されました。

太めの六角軸は指との接触面も大きく、その分持ちやすくなっています。また、粗めにヘアライン加工された表面も程よい感じで、ツルツルと滑るのではなく、サラサラとした触り心地です。がっしりとして質感の良い金属軸ではありますが、18グラムで重い印象はあまり受けません。

先端のスリーブはスライド式になっています。製図用シャープ並みにスリーブが長く、最長で4ミリほどの長さになります。また、内部はクッション機構です。スライドスリーブとクッション機構の組み合わせなので、
以前紹介したプラチナ「ハヤーイ」のように「簡易先端プッシュ」ができます。書いているうちに芯の量が足りないと思ったら、先端を紙面に押し付け、離してみましょう。するとスリーブだけが後退して芯が出てくるので、ノックしなくてもまた書き続けることができます。スリーブが長いので、三回ぐらいはノックせずに先端プッシュで書きづづけることができるかと思います。

軸はやや短め(全長128ミリ)で、手に収まる扱いやすい長さです。短めの軸やスライドスリーブになっているのは、シャツやズボンのポケットに入る長さや、ポケットの中でパイプが引っ掛からないのを意識しているのかもしれません。またクリップが比較的長めになっているのも、ポケットから抜け落ち難くするためのように思えます。ロディアの製品ですから、サイズからして「ブロックロディア」No.11やNo.12あたりと一緒にポケットに入れることも念頭に置いているかもしれません(画像のブロックロディアはNo.12)。

短軸でありながらクリップは長めに作られているため、筆記時には手に当たりやすくなっています。また、軸に合わせて幅広の平らな面になっているため、この面を下にしてクリップを指に乗せるときは、指とクリップとの接触が大きくなります。軸の方はヘアライン加工で滑りもあるのですが、このクリップは艶出し加工で滑りにくいので、接触が大きいと指にくっつき、引っかかりを覚えます。クリップの表面もヘアライン加工になっていると、この引っかかりは軽減されるかもしれません。
ちなみにブロックロディアを使うときは、例の濃い罫線に通常の0.5ミリ芯の描線では「負け」てしまうので、Bぐらいの濃さで、あえて軸は回さずに偏減りの状態のまま太字にして書くのが良さそうです。この使い方だと、クリップに指が引っかからずに書くことができます。

中を分解するとこのようになっています。がっしりとした外側の作りに比べて、中はプラチナのプレスマンあたりでも見られるような、シンプルな軽めの機構です。これを見て、値段(税抜2,400円)の割に安っぽいと感じる人もいるかも知れません。とはいえ、ここで金属パイプやら何やらを使って不必要に重たくするよりは、この方がいいのではないかと私は思います。ちなみに私の場合、既存の状態ではノックボタンが出過ぎているように思えたので、パイプ(芯が入っている部分)を5ミリほど切って短くしました。また、画像にあるように、消しゴムとノックボタンをつける尾部のパーツにマスキングテープを巻くと、筆記時に中でカタカタと音がするのを防ぐことができます。
なお、この内部機構について一点注意を。今回発売された限定軸のネイビーを触っていて気づいたのですが、このネイビーでは、中のチャックが金属になっています。従来のスクリプトでは樹脂チャックで、クリック感も手応えもない出し心地が自分としては不満だったので、この仕様変更は喜ばしいことです(ちなみに以前買ったオレンジ軸の方は、オートの古いクッション機構シャープの部品を使ってなんとか金属クラッチにしています…)。聞いた話によると、今後ネイビーだけではなく従来の軸でも樹脂チャックから金属チャックへと仕様変更する予定だそうなので、ネイビー以外の軸が欲しい方はもう少し待ってみるのが良いかもしれませんね。
【関連リンク】RHODIA scRiptpoint push-maticの謎 - Platinum Hayaai(もう11年前の記事になるんですね…)
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- 2018/10/28(日) 00:00:00|
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