
4色ペンシルシリーズの2回目は、ドイツusus製のペンシルです。磁石を使った奇抜なデザインのボールペンを出しているususと、このペンシルのususとは関係があるかは不明です。
4色ペンシルですが、軸にはスライド部も溝もありません。見たところ単色のシャープペンシルのようですね。このペンシル、先端を出す仕組みはスライド式ではなく、尾部を廻す仕組みになっています。

この部分を廻していくと、黒→赤→青→緑→黒・・・(順不同)のように、先端がリレー方式で出入りします。ポプラやニューマンの2色ペンシルの螺旋とは違い、スプリングを使った仕組みです。私は密かに「60年前のシャーボX」と呼んでいます(よく考えたら「ボ」ではありませんね)。60年前なのか70年前なのかは分かりませんが、1930年代以降のものと思われます。先端部分は繰り出しただけでは潜ってしまいますが、ちょっとだけ逆方向に廻すと固定されるようになっています。

先端部分はこんな感じで「長い状態」で出ています。他の4色ペンシルと同じように先端を廻して繰り出す仕組みです。4色ペンシルはこんな感じで先端が斜めになって出てくるのが殆どです。ちょっとこれがかっこ悪いんですけどね・・・。

尾部のキャップを取ると替え芯が入っています。元から入っている芯はかなり短いですね。前の持ち主はこれを使っていたのでしょうか? ちなみに先端には約2センチほどの芯を入れることが可能です。

4色ペンシルでは珍しく、内部を開けることが出来ました。仕組みも大体これで分かります。4本のパイプの中にはさらに芯を繰り出すための棒や螺旋が入っていると思うと、70年前の技術でも凄いなぁと思ってしまいます。

これが4本のユニットの付け根の部分です。このスプリングが中に入っている溝から出っ張っている部分が、軸の内側にある螺旋に引っかかるようになっています。螺旋が途切れると、ユニットがスプリングによって押し出される仕組みになっています。
※注※注 ちょっとややこしくなるので読み飛ばして良いのですが、この仕組みのイメージを平面に直して説明しましょう。軸の内部を平面に展開すると、内部の螺旋は直角三角形のようになります。回転させることで直角三角形は動き、斜辺を出っ張り部分が「登って」いきます。頂上までいくと螺旋が途切れるので、出っ張りは「落下」する形になります。この「落下」は、ユニットがスプリングによって押し出される状態です。落下するとまた直角三角形の斜辺がやって来るので、再度出っ張り部分が斜辺を登っていき、ユニットが収納されます。これを4本のユニットで次から次へと繰り返しているのです。なお、少し逆方向に廻すと先端が固定される仕組みですが、イメージとしては恐らく、「直角三角形」の直角の部分が、小さく四角形状に切り取られているようになっているのでしょう。逆方向に動かし、この切り取られた部分に出っ張りを引っ掛けることで、先端が固定されるものと思われます。・・・とまあ、わかりにくい注付きで紹介しましたが、内部が見られると仕組みが解明できて、何か楽しくなります。先端部も分解して仕組みを見てみたいのですが、分解できたところでパーツが小さくて元に戻せなくなりそうですね。
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- 2007/12/05(水) 00:00:00|
- 0.2 - 1.8 mm
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| コメント:3
isuさん、良く見つかりましたねぇ~!
私もUSUSの多色回転式繰出ペンシルを数本持ってます。(4色タイプと2色タイプ)
内部機構はすごく面白かったですね!
昔のUSUSと現代のUSUSとは無関係だそうです。ドイツ人コレクターが言ってましたが、
なにぶん、ドイツ語でのやりとりなので。
- 2007/12/05(水) 21:33:02 |
- URL |
- NOMADE #0zqOmv2U
- [ 編集]
今のUSUSは創業間もないはずなので、関係ないかもしれないですね。
ちなみに、Ususというのは、ドイツ語では「慣習・しきたり」の意味する語
らしいですが、この意味から取ったのかどうかは不明です。
スライド式ではない4色ペンシルはもう一本あります。
USUSとはまた違うユニークな機構のものなので、次回にでも紹介したいと思います。
- 2007/12/05(水) 23:53:15 |
- URL |
- isu #uaIRrcRw
- [ 編集]
これはドイツ ロットリング(Rotring)社の4色ペンシルです。
ロットリング社は1928年、ドイツのウィルヘルムリープによって
設立されました。
最初の社名はチク(Tiku)社で、
ティンテンクリ(Tinten Kuli)という名前で
スタイログラフを製造していました。
1936年?...
- 2007/12/20(木) 23:45:22 |
- Vintage Mechanical Pencilの魅力