
これは勤務先の近所にある文具店で見つけたもの。
ポプラという日本のメーカーから出ていたシャープペンシルです。
こんな感じで箱に入っていました。ちょっと古くさい感じがしますが、
どこかしら都会的な感じもしなくはない、おしゃれな紙箱です。
真ん中の○にPなんて、80年代テクノポップみたいじゃないですか。
箱の中には丁寧なことに説明書も入っています。
箱や説明書が付いてると、ちょっと高級な感じがしますが、
実際当時は高級品だったのでしょう。
ただ、箱も説明書もそんなに高級な感じではありませんが・・・。
販売当時の価格は300円(実際その値段で買いました)とのことですが、
年代はいつぐらいなのでしょうか。
昭和20年代後半から30年代前半という感じはします。

これが説明書です(クリックすると大きくなります)。
手書きの部分も、ぎこちなさそうな説明文もなかなかいい味が出てます。
この文体からも年代が推測できそうですね。 私は分かりませんが・・・。

説明書から分かるように、このペンシルは赤黒二色の回転繰り出し式です。
以前取り上げた、ニューマンの二色式0.9mmと同じです。
後半分の金属軸の質感は、ちょっと安っぽい感じがします。
見た目の点では、ニューマン製の方が私の好みです。
(ちなみにニューマンの後半分にはポプラの繰り出し部を嵌めることができます)
ただ、ニューマン製とは機能で違う点があります。
ニューマン製の方は、「一方を回せば黒、他方を回せば赤」なのに対し、
「ポプラ二色リレー式」の方はそれができるだけではなく
「右或は左どちらでも一方に廻す事に依つて芯が交互に出入り」するのです。
この交互に出入りする仕組みが「二色リレー式」なのです。
この仕組みの違いは、内部の「二重らせん」の違いで分かります。

こちらがニューマン二色式ペンシルの繰り出し部ですが、
二色回転繰り出しペンシルは、二本のらせんが交差して出来ています。
以前のエントリでも取り上げていますが、このらせんを「芯ハサミ」が
互いに上下して、芯が繰り出される仕組みになっています。

他方、こちらがポプラリレー式ペンシルの方のらせん。
一見するとニューマン製と変わらないのですが、
端の方で二つのらせんが繋がっているのが分かります。
つまりこれは、一本のらせんになっているのです。
一方のらせんにある芯ハサミ部分が端まで行くと、
今度は他方のらせんに移り、逆向きに動くという仕組みになっています。
こちらの方が仕組みとしては優れていると思うのですが、
ポプラ以外にこの方式を採っているものは見たことがありませんね。

こちらは頂き物の回転繰り出し式二色ペンシル。
リレー式ではなく、ニューマン製と同じ仕組みかと思われます。
クリップには「ALMITEBUNGU」とありますが、メーカー等詳細は不明です。
ポプラというメーカーは万年筆も作っており、「ポプラ万年筆」というホーロー看板も
出ていたらしいのですが、今はもうすでに無く、詳細についてはよくわかりません。
どなたかご存知の方、いらっしゃいますか?
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- 2007/11/12(月) 00:00:00|
- 0.2 - 1.8 mm
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eBayで手に入れた米Eagle社のペンシルTORPEDO。
結構古そうですが、いつ頃のものかはちょっと分かりません。
軸には"PAT. APRIL 6 JULY 20. 1909"と書いてあります。
あちこち塗装が剥がれていて状態も良くありませんが、
通常の使用には問題なく、軸は贅沢にもエボナイト製なのと相まって
むしろかえって味があっていい感じです。
これが大体2000円くらいで落札できたのは運がよかったかも。

何よりも気に入ったのは、2mm芯には珍しい回転繰り出しというところ。
しかもAutopointやWoerther Slightと同じように先端を回して繰り出す仕組みです。
逆に回して収納することも出来ます。 こういうのが現行品で欲しいんですけどね・・・。

尾部を開けると、替え芯が入ってあります。
他の芯径のヴィンテージペンシルと同様、長さは約2.7cmと短くなっています。
これだと頻繁に交換しなければなりません。

軸の質感はエボナイト製でしっかりとして、なおかつ軽い。
(ただ、気になるほどでもありませんが、ちょっと硫黄の匂いがします・・・)
エボナイト軸のペンシルというのは初めて手にしたのですが、いいですねぇ。
この頃(とはいっても年代不明ですが)作られたペンシルは、
他にもベークライトなども使われていましたが、
どちらの素材もも今の樹脂には無い手触りと質感がありますね。
- 2007/11/10(土) 10:30:54|
- 2.0 - 5.8 mm
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