
eBayで手に入れた米Eagle社のペンシルTORPEDO。
結構古そうですが、いつ頃のものかはちょっと分かりません。
軸には"PAT. APRIL 6 JULY 20. 1909"と書いてあります。
あちこち塗装が剥がれていて状態も良くありませんが、
通常の使用には問題なく、軸は贅沢にもエボナイト製なのと相まって
むしろかえって味があっていい感じです。
これが大体2000円くらいで落札できたのは運がよかったかも。

何よりも気に入ったのは、2mm芯には珍しい回転繰り出しというところ。
しかもAutopointやWoerther Slightと同じように先端を回して繰り出す仕組みです。
逆に回して収納することも出来ます。 こういうのが現行品で欲しいんですけどね・・・。

尾部を開けると、替え芯が入ってあります。
他の芯径のヴィンテージペンシルと同様、長さは約2.7cmと短くなっています。
これだと頻繁に交換しなければなりません。

軸の質感はエボナイト製でしっかりとして、なおかつ軽い。
(ただ、気になるほどでもありませんが、ちょっと硫黄の匂いがします・・・)
エボナイト軸のペンシルというのは初めて手にしたのですが、いいですねぇ。
この頃(とはいっても年代不明ですが)作られたペンシルは、
他にもベークライトなども使われていましたが、
どちらの素材もも今の樹脂には無い手触りと質感がありますね。
- 2007/11/10(土) 10:30:54|
- 2.0 - 5.8 mm
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これほどの優れ物にも関わらず、マニア以外にはそれほど注目されてない不遇?なペンシル、ぺんてるマルチ8。以前は「プリズメイト」という名前でお手ごろ価格で売られていたが、全く売れなかったらしい。ところが、欧米ではヒット商品であるとのこと(市浦潤『文房具』(新潮文庫、1986年)による)。日本での売り出し方がまずかったのか。
現在日本で売られているマルチ8は軸にグレーのペイントがしてあり、パッケージからして「プロが使う本格的な道具」っぽいイメージを醸していますが、プリズメイトや海外仕様のものは上のようにカラフルでチープな感じです。もっとも、国内版マルチ8にしても透明軸の質感からして安っぽさは否めませんが。
カラフル好きな私としては地味な国内版より海外仕様が好きなのですが、手に入れようとした当時はプリズメイトも見つからず(今でも見つかりません)、分度器ドットコムにも無かったので(ちなみに分度器さんにリクエストしたのは私です。利益が少なそうなので申し訳ない限りです・・・)、海外通販を探して購入。購入した店はモルモン教の経典や経典関連グッズ販売店。あちらでは聖書や経典にマーキングする用途に重宝しているのかも知れません。
カマタスエコさんのブログによれば、デザイナーのフィリップ・スタルクも長年愛用とか。スタルクさんはこのカラフルの方をつかっているのでしょうか。

「海外仕様」にデフォルトで入っている芯はすべて色芯です。これでは通常使用には合わないので、ボールペンや黒鉛芯や蛍光芯に入れ替えました。ちなみに緑は、以前見つけたステッドラーのMARS-LUMOGRAPH(12色)の緑芯を入れています。赤はフエキの赤芯。柔らかくて色もよく出るのですが、減りも早い。
透明軸なので、色の配置を気にしながら芯を入れていくのも楽しい。選べるスペースもSHARBO Xの単純に2倍(実際はシャープ部分は決まっているのでそれ以上ですね)です。まあそこまでくると実際使わない芯もあったりするんですけどね。

軸には取り扱い方を説明したシールがいい加減に貼ってあるのですが、これははがさない方がいい。というのも、この部分は芯のかけらが溜まってしまい結構汚くなってしまうので、シールで隠しておいたほうが良いかと思われます。
マガジン部の芯先も、クラッチに付いたかけらで汚れてしまった芯が目立つので困ります。黒鉛芯は入れない方がよいかもしれません。実際、黒鉛芯は他のペンシルを使う場合が多いですからね。国内仕様の方はこの点を心得ているのでしょう、きっちりペイントで隠してあります。この点ではさすがですね。というか、プリズメイトや海外仕様は黒鉛芯を使うことを前提とはしていないのでしょう。

もう1つ困る点。マガジンとグリップの間なんですが、何故かほこりが入ってしまいます。静電気とかの原因があるのでしょうか?この部分は国内仕様も何故かペイントしていません。分解清掃出来ればいいのですが、これがまた何処からいじっていいか分からない。
ところが最近、いじっている内にちょっとしたはずみで・・・。

中軸がスルっと抜けることがわかりました。
「これは・・・」と思い、中軸を戻して芯を抜き、再度はずしてみました。プッシュボタンを取り、軽くグラグラ動かしながら引っ張ると中軸は取れます(分解はあくまで自己責任)。内部は意外とシンプルな作りです。

軸をはずした後、クリップ部分も引っ張ってみるとこれも取れました(分解はあくまで自己責任)。ここまで分解すると、マガジン部の清掃が楽になります。清掃は、ゼムクリップの先をペンチで丸く曲げたものに、濡らしたティッシュをつけて拭くと良いでしょう。
ただ、口金とクラッチはどうやっても分解できないようです。それもあってか、マガジンとグリップとの間の汚れは、依然として取れません。マガジン部とこの部分は仕切られているので、尾部からは清掃することは出来なくなっています。水で洗い流しても完全には綺麗になりませんね。ここが清掃できないと、どうも中途半端になってしまい、気になってしまいます。
もうちょっと質感ある不透明な軸で、分解しやすいマルチ8があるといいんですけどね。まあそうなると、このカラフルな色表示を諦めなければなりませんが・・・。
- 2007/06/10(日) 16:26:00|
- 2.0 - 5.8 mm
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今年最初のエントリはまず、ファーバーカステルの芯ホルダーTK9441です。
TK9441は比較的最近まで売られていたにもかかわらず
何故か入手困難な上に、その「カッコいい」とでもいうべき姿から、
マニア垂涎の芯ホルダーの1つとなっております。
とはいえこのTK9441は、すでにdestijlさんが
こちらで十分に紹介していますので、
私の方からは別の形で・・・
↓さて「別の形」とは? それは続きを。。。
[A.W. Faber Castell TK 9441など]の続きを読む
- 2007/01/05(金) 01:01:42|
- 2.0 - 5.8 mm
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今回も海外の方を意識して国内の芯ホルダーを紹介しましょう。
学研文具から売られていた、学研ペンシル「サム」です。
サムノックがノック式なのに対し、これは所謂「ドロップ式」です。
上の画像をクリックすると大きな画像が見られるのですが、
軸に"GAKKEN PENCIL SAM"とあるのが辛うじて分かるでしょうか?
(画質が悪くて申し訳ありません・・・)
名前からも分かるように一連の「サム」シリーズの標準形なのですが、
サムノック等に比べて(サムノック自体見つけ難いのですが)、
今ではオークション等でもほとんど見つけることはありません。
その理由の1つとして、このサムの作りに問題があると思われます。
この↓画像を見て欲しいのですが、

あまり丈夫でなさそうなプラスチックの先端部が、
芯を挟んでいるクラッチに拡げられ裂けています。
私が手に入れたのは古いものなので経年劣化もあるのですが、
もし新品を手に入れたとしても、使っているうちに
比較的短時間で先端が裂けて壊れてしまいそうです。
文具店でも置いているうちに壊れてしまい、
店頭から消えてしまったケースがほとんどなのではないでしょうか?
サムシリーズでは後にSAM HARDTOPという
先端部が金属で出来た芯ホルダーが出ましたが、
この"HARDTOP"という名前には、初代サムとは違って
ヤワな先端じゃないという意味が込められているように思われます。
GAKKEN PENCIL SAM
Gakken, Japan
lead diameter: 2 mm
mechanism: pushbutton spring clutch
composition: plastic barrel
production date: 1960-70s
origin: Japan
GAKKEN PENCIL SAM KNOCK
Gakken, Japan
lead diameter: 2 mm
mechanism: pushbutton auto-advance clutch
composition: plastic barrel
production date: 1960-70s
origin: Japan
SAM HARDTOP
Gakken, Japan
lead diameter: 2 mm
mechanism: pushbutton spring clutch
composition: plastic barrel, metal grip
production date: 1970s
origin: Japan
GAKKEN PENCIL SAM LONG
Gakken, Japan
lead diameter: 2 mm
mechanism (black barrel): pushbutton auto-advance clutch
mechanism (red barrel): pushbutton spring clutch
composition: plastic barrel
production date: 1970s
origin: Japan
- 2006/11/29(水) 01:20:59|
- 2.0 - 5.8 mm
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Dennis B. Smithさんのleadholder.comにリンクされたこともあって
そちら経由で訪れる方もいらっしゃるようなので、
今回は海外を意識したエントリをしてみましょう。
もちろん英語なんてロクに出来ないので日本語で紹介しますが・・・。
フエキの建築用シャープ。2㍉芯を使うノック式芯ホルダーです。
SP20Rというのは、"
Sharp
Pencil
2.
0 mm
Red" の略でしょう。
Rは黒軸だとB、白軸だとWとなります。
定価はよく分かりませんが、400~500円台で売られています。
本来はクリップが付いているのですが、
個人的にあまり好きではなかったので取ってしまいました。
軸は樹脂ラバー製の六角軸です。

普通のシャープペンと同じような、ごく普通のノック式機構です。
ノック1回当たりの繰り出し量が少ないので、
適量の芯を出すには、5~6回くらいノックが必要です。
ノック部のパーツは、軸の内側とぶつかってカチャカチャ音がするので
気になる方はパーツの付け根にテープを巻いておくとよいでしょう。
また、芯削りを使う際は、軸を回しても芯が一緒に回らないので、
このノック部を軸と一緒に握って回す必要があります。

よく知られている芯ホルダーと太さを比べてみると、
ユニホルダーや同じ6角軸のFixpencilよりは若干太めです。
以前エントリしたWoerther Slightとだいたい同じくらいの太さで、
建築用シャープのノック部を除いた部分と長さが同じです。
フエキの建築用シャープは文房具店では売られておらず、
大工道具を扱っているホームセンターや金物屋で売られています。
郊外にあるホームセンターなら、置いてある場合が多いと思います。
その点では実はユニホルダーやステッドラーの芯ホルダーに次いで
入手しやすい芯ホルダーなのではないかと思います。
オンラインショップでもその手の店で売られているようですね。
参照リンク
Stationery Crip フエキ 建築用シャープペンシル2.0
Fueki "kenchiku-yo" SP20R
Fueki, Japan
lead diameter: 2 mm
mechanism: pushbutton auto-advance clutch
composition: plastic barrel, metal clutch and pushbutton
production date: (1990s?) to present
origin: Japan
- 2006/11/27(月) 01:55:28|
- 2.0 - 5.8 mm
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