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the uncomfortable chair

好きなものや思ったことなど。

Faber-Castell e-motion twist pencil (pure Black)

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メモや考えをまとめるとき、太芯のシャープを使って大きな字でサラサラと走り書きさせるのが好きです。一般的なシャープの芯径である0.5ミリだと、小さな字を書くのには向いていますが、素早くラフに字を書いたり線を引いたりするのには、どうも引っかかりを感じてしまいます。また、大きめの字で書く場合、芯の減りも早くなるので、細芯では芯を出す頻度も多くなります。こういった用途においては、0.9~2.0ミリあたりの芯を使いたいところです。

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今回紹介するファーバーカステルのエモーションシャープは、そんな用途に合った1.4ミリの芯です。エモーションといえば木軸というイメージですが、このピュアブラックは金属軸です。全体がマットブラックで統一されていて、胴体部分にはアヤ目(菱形)の溝が入っています。このあたりの意匠が、どこか製図用シャープのようでもあります。

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軸はアルミ製で内部は主に樹脂パーツで構成されていますが、口金と軸尾が肉厚の真鍮製のため、全体の重量は36グラムあります。筆記具としてはかなり重い部類に入りますが、短めの軸(芯を出さない状態で12.5センチ)ということもあり、取り回しにくい印象はそれほどありません。

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私の場合、軸後方を人差し指の第二関節と第三関節の間に置き、そこを支点として指先には力を入れずに軽く握るようにしています。重心は若干後寄りのため、先の方は持たずに、口金より後ろ・軸の前半分あたりを持つと動かしやすいと思います。ただし筆記状況によっては、クリップが若干引っかかって気になるかもしれません。

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機構は回転繰り出しで、軸尾を回して芯を出します。芯は回し切ると芯受けから押し出されるようになっています。芯を取り付けるときは、回しきった状態から若干戻したあと、先端から芯を入れて芯受けに嵌めます。予備の替芯は、口金を外すと中に6本ほど充填することができます。

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ちょっと気になるのは、軸尾パーツをぴったり嵌めると、繰り出す際に軸と軸尾が接している部分でこすれる音がする点。どうしても気になる場合は、軸尾パーツと軸との間にほんの少しだけ隙間を開けておくと良いでしょう。

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軸尾を回して繰り出す方式は、他の方式に比べ持ち替えるのに手間がかかります。そこで何度も繰り出す作業をするのは面倒なので、私は芯を長めに出して使っています。1.4ミリの太さなら、折れる心配もまずありません。

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1.1ミリ以上の太芯は削った方が書き味がいいので、削って使うようにしています。2.0ミリ芯ホルダー用の芯削りを使えば、芯をうまく削ることができます。紙やすりで研いでも良いかと思いますが、勢いで口金を削ってしまう恐れがあるので、注意が必要です。

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その他の1.4mmシャープと替芯。カステルとラミーはB、スタビロはHB(それぞれ6本入り)。

エモーションが採用している1.4ミリ芯と似た太さの芯では、1.3ミリの芯があります。1.3ミリと1.4ミリとでは、一見したところ呼び寸法の違いだけで互換性がありそうな気がします。しかし、ぺんてるのマークシート用シャープの芯やコクヨの鉛筆シャープ用の芯、ステッドラーのMars micro carbonで確認した限りでは、エモーションの場合、1.3ミリ芯では細くて芯受けに嵌らないようです。セロファンテープを間に噛ませて芯受けに嵌めることもできなくはないのですが、口金の穴が1.3ミリ芯に対して広いため、芯がグラついて書き心地もあまり良くありません。手に入りにくい・種類が少ないというデメリットはありますが、やはりここは1.4ミリ芯を使うしかないようです。


【関連リンク】
Faber-Castell - エモーション ピュアブラック ペンシル
アフィリエイトの文具評論家ブログ実装版 ファーバーカステル エモーション 138301
Stationery Meeting - 1.3mm芯と1.4mm芯

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  1. 2018/10/01(月) 23:00:00|
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Pentel orenznero 0.3mm (PP3003)

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ひさびさの高価格帯・高機能モデルとなる、ぺんてるのシャープペンシル「オレンズネロ」です。このシャープペンシルについては、ぺんてるも相当気合を入れているようで、特別サイトを始めとしてプロモーションも積極的に行われているようです。また、オレンズネロ本体のデザインや、後述するようにグリップの材質や自動芯出し機構などの仕様も、ぺんてるの意欲を感じさせてくれるものとなっています。

オレンズネロについては昨年末あたりから情報が断片的に出始めており、twitterでフォローしている方たちの間でも、いつ発売されるのか、今や遅しと待ち望んでいる状態でした(寸前まで出荷日が未定だったのです)。もちろん私もその待ち望んでいたうちの一人で、入荷日の初日(2月17日)にさっそく購入しました。本レビューでは、その日からしばらく使ってみて、私なりに思ったことを書いてみたいと思います。なお、今回レビューするオレンズネロは0.3mmの方のみになります。0.2mmについては別の機会に(または別の方のレビューに)譲りたいと思います。


機構と書き心地について

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ぺんてる「オレンズ」のシリーズに共通するのは、ガイドパイプから芯を出さずに書ける「オレンズシステム」です。パイプから露出した状態ではすぐ折れてしまうような0.2mmや0.3mmの細芯でも、パイプが外側で芯を保護することで、折れずに書けるようになるという仕組みです。この場合、パイプは芯の摩耗に対応してスライド(後退)しなければなりません。このスライドが滑らかでないと、筆記時にパイプが紙に引っかかる感じになり、書き心地が悪くなります。ノーマルタイプ(ラバーグリップ、メタルグリップを含む)のオレンズではパイプが紙面に触れるたびにパイプが後退し続けます。この機構では、一度のノックで飛び出たパイプの分だけ、ノックをしないで書き続けることができます。

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これに対し、オレンズネロでは「自動芯出し機構」が採用されています。この機構では、パイプが紙面に触れるときはノーマルタイプと同様に後退するのですが、紙面から離れるとパイプが元の長さに戻り、その戻った分だけパイプの中で芯が先へ繰り出される仕組みになっています。つまり、芯を内部のチャックが保持できるかぎり、ノックをしなくても芯が出続け、書き続けることができる機構なのです。これだけ聞くと非常に便利な機構だと思ってしまうのですが、ここには難点があります。つまりこの機構では、パイプが紙面に触れているときにも戻ろうとする力が働いているため、ノーマルタイプのオレンズシステムよりは引っかかりを感じてしまうのです。オレンズネロのサイトでも、この戻ろうとする口金の中のスプリングの力をいかに抑えるか、それに伴い内部機構をいかに調整するかに苦心した様子が書かれているのですが、実際使ってみると、確かに従来のオートマチック機構に比べて改良されているようには思うものの、やはりこの引っかかりや擦れる感じは、ノーマルタイプのオレンズに比べてどうしても気になってしまいます。ただ、この引っかかりは、持ち方を工夫することでかなり改善できます。

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筆記時の先端の部分を拡大すると上図のようになりますが、このとき、パイプの角(◯で囲んだ部分)が紙面をこすると引っかかりを感じてしまいます(とりわけこの図で言えば、左から右へと先端が動くとき、ノーマルタイプですらパイプが後退しにくい状態のため、引っかかりが強くなります)。この角の「当たり」を弱めるには、筆記角度を高くして、芯の接地部分の方を大きくするようにします。つまり、ペンを立てて書くようにすると、引っかかりは軽減できます。

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この時のペンを持つ状態(右)は、従来の持ち方(左)よりも先端を手の側に寄せた状態になります。この高い筆記角度をキープするには、先端をなるべく手から遠ざけないようにする必要があるので、先端の可動域は制限されます。つまり、自動芯出し機構を快適に使うには、ストロークを要する大きな字よりも小さな字向けに使うのが望ましいといえるでしょう。

とはいえ、せっかくのフラッグシップモデルが「細かい字専用」というのは、勿体ない使い方のようにも思われます。そこで個人的には、自動芯出し機構だけでなくノーマルタイプの機構もオレンズネロで使えるようにならないかなと思ってしまいます。実際の使用場面でも、ノック一回あたりの芯の量があれば、何度もノックして思考が中断される…なんてこともほとんどないかと思います(それに「思考の中断」を云々するなら、むしろ消しゴムを使う頻度の方が問題となってくるでしょう)。機構を見るかぎり、口金部分をスプリングがないスライドパイプにすると、ノーマルタイプと同じになるように思われます。オプションパーツでノーマルタイプに変えることができる口金も欲しいところです。


グリップとクリップについて

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オレンズネロの軸で最大のアクセントとなっているのが、この5センチ以上ある長めのグリップです。「樹脂と金属粉を混ぜ合わせた特殊素材」でできた12角のユニークなグリップになっています。特殊素材をはじめて使ったためなのか、型の継ぎ目のような線や仕上げが若干気になるのですが、しっかりとした質感で良い感触だと思います。12角のグリップについてですが、個人的には筆記中に角が指に当たるような気がしました。おそらく、12角グリップは3角や6角のグリップに比べて側面も狭くなるため、指で押さえる時に面だけではなく角にも触れてしまうのがその理由かと思われます。

また実際持った時、持ったところから後の方が重たい感じがしてペンを動かしにくい印象を受けます。これは特殊素材のグリップが長いために、グリップの後ろのほうが「重たさ」となるからと思われます。もちろんつかむ位置を変えると重たさは軽減はされますが、上述した「筆記角度を高くした状態で細かい字を書く」場合では、どうしてもグリップの先をつかむようになってしまいます。デザインにあれこれ言うのは野暮かとは思いますが、このグリップは短くてもいいのではないかと私は考えます。

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クリップはぺんてるのスマッシュと同じもので、小さめです。今までのオレンズシリーズは、クリップが大きくて出っ張っており、さらに軸に固定されて取り外すこともできなかったので、そこだけは何とかして欲しいと思っていました。オレンズネロではデザイン的にも大きなクリップが合わないこともあるのでしょうが、目立たず、また、軸の比較的後部に置かれているため、手にも引っかからない設計となっています。


もうひとつの芯出し機構 - ぺんてるQXシャープ

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オレンズネロを取り上げたからには、比較として触れておきたいシャープペンシルがあります。何故かオレンズネロのサイトでは挙げられていないのですが、1990年にぺんてるはQX(PN305)というシャープペンシルを出しています。値段はオレンズネロと同じ3,000円。12角のグリップといい、全身マットブラックの軸といい、オレンズネロを企画した際に、多少はこのQXを意識していたに違いありません。それでは何故このQXが今回「黙殺」された形になったのでしょうか。それはこのQXの機構が「最適芯出し機構」という特殊な機構になっているからと思われます。この機構は実にユニークで、先端を紙面などに押し付けて離すと、つねに芯が「最適量」露出するという機構なのです。今回のオレンズネロでは、芯がパイプから「露出しない」状態で筆記する機構だったので、QXについては言及し難かったのかもしれません(同様の機構をもつテクノマチックも、今回話題になっていません)。

そこで私が期待するのは、この「nero」シリーズが他の芯径でも展開された場合、0.5mmにこの「最適芯出し機構」を採用してくれるんじゃないかということです。0.5mmなら細芯とは違い、芯をパイプから露出させても構わない(最適量なら折れることもない)し、露出させた方がパイプスライドよりも書き味は良くなるのですから、この機構を採用しない手はありません。まさしく0.5mmのフラッグシップモデルにふさわしい機構と言えるでしょう。ただ気がかりなのは、この機構、非常に便利な機構にもかかわらず、QX以降ほかのシャープペンシルに採用されていない点。もしかしたら非常にデリケートな機構で、展開するのが難しかったのかもしれません。とはいえ、今回のオレンズネロのように意欲的な商品を出したぺんてるですから、これに続いて、また新しい形でQXを復活させてくれるんじゃないかと期待せずにはいられません。

  1. 2017/03/12(日) 18:00:00|
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Lamy noto 改造シャープペンシル

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別のところでも書いたように、Wörther Compactのシャープペンシルのユニットを0.7mmに交換した時、余った0.5mmユニットをLamy notoに入れてみたら、上手い具合にシャープペンシルができました。そこでこれを紹介したいと思っていたのですが、内部機構(Schmidt DSM2006)を取り付けるのにちょっと手間がかかるのと、何よりもこの内部機構自体、廃番ではないのですが手に入れるのが困難な点がネックでした。そこで、別のシャープユニットでこの改造に使えそうなものを探して使ってみたところ、Schmidt DSM2006よりも簡単にできたので、今回はこれを使った改造方法を紹介したいと思います。今回使用するシャープユニットなら、Amazonなどでも比較的容易に手に入れることができます。

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【用意するもの】
・Lamy notoボールペン
・プラチナ「アフェクション・スイッチ」専用シャープメカスイッチ(以下「シャープメカ」)
・丸棒やすり
・シールテープ(ない場合はマスキングテープでも可)

丸棒やすりは100均で手に入るようなもので大丈夫です。シールテープは水道工事などで使うもので、粘着剤がないテフロン製のテープですが、これを硬く巻くとパテ状になります。ホームセンターなどで売られていると思いますが、Amazonあたりでも手に入るようです。

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notoは分解し、ボールペンリフィルを取り出します(以下説明の便宜上、ボールペンリフィルが入っているグリップ側は「軸A」、ノックボタンがある側は「軸B」とします)。また、軸Aの中にはバネが入っているので、これも取り出します(バネは割り箸などを中に突っ込んで引っ掛けると取り出せます)。

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ボールペンリフィルが入っていた部分にシャープメカを入れるのですが、この状態では先端の穴が小さくシャープメカが出てこないので、軸Aの中の方から丸棒ヤスリを入れて穴を拡げます。穴を広げ過ぎないよう、時々シャープメカを入れてみながら徐々に削っていきます。少しだけ力を入れてシャープメカが穴に通るぐらいの大きさにします。

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シャープメカにテープを巻き、軸Aに嵌めます。テープは入れた時に若干きつくなるくらい巻きます。シャープメカは、先端から3mmほど出るくらいまで押し込んでいきます。ユニットが先端から出た状態で、少し強めに押してみても引っ込まなければOKです。引っ込む場合はもう少しテープを巻く必要があります。

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軸Bのノックボタンは、長い状態(ボールペンが収納された状態)ならば一度ノックして短い状態にしておきます。この状態で軸Aを取り付けると完成です。

ノックしてみて上手く芯が出るか、芯が出た状態で先端を押してみて芯が引っ込まないか確認します。芯が出なかったり、出ても押せば引っ込む場合は先端があまり出ていない状態なので、軸Aを外してシャープメカを少しだけ押し込んでみてください。また、逆に先端が出すぎている場合は、ノックボタンに「遊び」がでたり、ノックボタンを引っ張ると長い状態に戻ったりするので注意が必要です。

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重量は約15g、重心位置はほぼ真ん中です。クリップが軸から飛び出ていない設計なので、筆記時に軸を回しても手に引っかからず、非常に書きやすいと思います。使ってみると、これはボールペンというよりもシャープペンシルにこそ向いているようにも思えてしまいます。
  1. 2016/03/08(火) 00:00:00|
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Tombow’s “0.6 mm” mechanical pencil


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数カ月前、Instagramでトルコの筆記具マニアの方がシェアした画像を見ていたら、見慣れないトンボ鉛筆のシャープペンを見つけました。見慣れないといっても、軸自体はよく知っているトンボ製品だったのですが、軸に「0.6」という表記があったのです。最初は海外の0.35mmや1.0mmのシャープペン同様、日本と呼び寸法が違うだけで実際は0.5mmや0.7mmと同じ芯なんじゃないかと思ったのですが、その画像では同じモデルで別の芯径のシャープペンを並べており、そこには0.5mmや0.7mmのものもありました。そこで例のごとくgoogle検索してみると、どうやら0.5mmや0.7mmとは独立した規格として、0.6mmのシャープペンや替芯があることがわかりました。しかも、それはトルコ語のサイトのみヒットするので、トルコでのみ販売されていたようです。

どうにか手に入れる方法がないかと思い、トルコの通販サイト等を探してみても、まずトルコ語が分からない上に、翻訳サイトを通して見ても、日本に送ってくれるような感じではない…とはいえ、見つけたからには手に入れて使ってみたい…と思っていると、ひょんなことからInstagramで私の画像を見ていたトルコの方とコンタクトができ、このたび何とか手に入れることができました。

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手に入れるまでのその間、0.6mmのシャープペンについてトルコの方たちの話やその他の情報を調べてみると、大体以下のことが分かりました。

・トンボ鉛筆のみで販売されていた。
・売られていたのはやはりトルコのみ。
・2000年ごろ売られていて、今は製造していない(1990年代にも売られていた情報もあり)。

当時、トンボ鉛筆はトルコでシェアを伸ばしていたようで、その際に新たな展開として0.6mm芯を発売したようです。実際、Instagramを見てみると、トルコ人のアカウントでトンボ鉛筆製のシャープペン(しかも日本では売られていないもの)をよく見るので、トルコ市場ではトンボ鉛筆が強いことが窺えます。また、トルコの人口は7,500万人で決して小さな市場ではないので、トルコのみの規格を新展開することも実はそれほど難しくなかったのではないでしょうか。ちなみに、トンボ鉛筆以外のメーカーでは、この頃に0.4mmの芯も発売されていたとのことで、この時期トルコは日本の各メーカーが注目していた国だったようです。

【芯について】

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今回ありがたいことに、0.6mmの芯を1ダースの箱でいただきました。この箱からも、新たな情報が分かります。

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箱の裏側ですが、これを見ると、0.6mmは2B芯のみ発売されていたことがわかりますが、この背景についてはよく分かりません。推測ではありますが、トルコでは濃い芯に人気があり、また、0.6mmは0.5mmより太いから折れにくいというのを強調できる点で、硬度として柔らかめの2Bをとりあえずはまず試験的に売ってみて、その後好評ならほかの硬度で展開しよう…とか考えていたのかもしれません。

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芯のケースは、かつて日本でも売られていた「MONO剛」と同じケースです。なお、芯はこの1種類(品番:EX06P)のみ発売されていたようです。1ケースに12本のみなので、少し高いと思われます。

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左から0.5mm、0.6mm、0.7mmです。分かりにくいのですが、確かにそれぞれ太さに違いがあるようにも見えます。

0.6mmという規格を知ったとき、この太さは、もしかしたら0.5mmや0.7mmの芯と重なるんじゃないかと思いました。というのも、「0.5mm」や「0.7mm」として売られている芯は、実際にはきっちり0.5mmや0.7mmではなく、またその規格には幅があるからです。たとえば、JISやISOの規格では、呼び寸法で0.5mmの芯は0.55~0.58mm、0.7mmの芯は0.69~0.73mmとなっています(ちなみに余談ですが、ISOやJISの規格がない0.4mmや1.3mm芯は各社まちまちで、同じ呼び寸法でもメーカーの違うシャープペンでは使えなかったりすることもあるようです)。そこで0.6mm芯をマイクロメーターで測ってみたのですが、およそ0.65mmで、0.5mmや0.7mmの規格とは重ならないことが分かりました。前後の芯径の規格を見ると、0.59~0.68mmの範囲が呼び寸法0.6mm独自の規格の範囲となりうるのですが、0.65mmは、若干呼び寸法0.7mm芯寄りに思われます。とはいえ、2B芯は強度の点で太めを取る傾向があるようで、実際、0.5や0.7mmの2B芯(他社製品ですが)を測ってみると、それぞれ0.57mm(強)、0.71mmあったので、もし0.6mmのHB芯があれば、0.65mmよりは細くなっていたと考えられます。

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実際0.5mmや0.7mmと書き比べてみましたが、まあ、確かに0.5mmに比べて折れにくいし、0.7mmほどは太くならない…かなぁ、とは思いますが、短時間とはいえ使ってみたところでは、0.6mmを使ったらもう他の芯径は使えなくなるとか、0.6mmじゃなければダメだというのは特に感じられなくて、そういうところが結局は定着しなかったのかなぁと思われます。とはいえ、これでHB芯があったら、また違った感想になってくるのかもしれません。


【シャープペン本体について】

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替芯同様、シャープペン本体もこの1種類のみ売られていたようです。前に「軸はよく知っているトンボ製品」と書きましたが、この形は以前トンボ鉛筆から発売されていた300円のLZシャープ(画像上)とほぼ同じです。ただ若干、気になる点もあります。今回0.6mmの他にも、トルコで販売されている同じモデルの0.5mmシャープ(画像中央)も手に入れました。これと比べるだけでもまず気になるのですが、0.5mmは固定スリーブなのに対し、0.6mmはオレンズのようなスライドスリーブになっています(軸にNON STOPとあるのはそのためと思われます)。また、0.5mmの方には「SV-0.5 LX」という品名があるのに対して、0.6mmの方にはTOMBOWのロゴと「Serve」というロゴがあるだけです。この「Serve」についてはよく分からないのですが、とにかく、この0.6mmの芯径だけは他の芯径とは違うラインナップのものと思われます。また、気になるのは、そもそも0.5mmも含めて生産国がどこにも記載されていないという点。おそらく、これらは日本以外の工場で作られたのではないでしょうか。ちなみにトンボのLZシャープといえば、シャープペン好きの間では「樹脂チャックのシャープペン」として有名(?)ですが、トルコで発売されたこれらのシャープペンは金属チャックなので、その点からも日本で売られているトンボ鉛筆の製品とは、企画開発等でどこか違うということが窺い知れます。ともあれ、0.6mmだけでも、他と異なっているのは気になります。

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個人的な話になりますが、芯ホルダーやシャープペンを意識的に集め始めて10年以上経ち、その間、海外の情報も出来るだけ集めていたつもりだったのですが、不明なことに、最近までこのような情報を全く知ることはできませんでした。陳腐な言い方ですが、シャープペン一つをとっても、世界にはまだ知られていないことが沢山あるのですね。もしかしたら、どこかの国には0.8mmのシャープペンが…なんていうこともあるのかもしれません。


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Tombow 0.6 mm lead pencil was sold in circa 2000 (and also is said it was sold in 1990s, but it is not sure), and only in Turkey. “0.6mm” is a nominal diameter, and the actual diameter is 0.65mm (the actual diameter of the 0.5mm lead is 0.55-0.58mm, and the 0.7mm is 0.69-0.73mm, according to the ISO standard) . Only the hardness of 2B lead was manufactured.

  1. 2015/12/13(日) 17:30:00|
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無印良品「ABS最後の1mmまで書けるシャープペン」



最近「普段使い」で好んで使っているのがこのシャープペンです。ABS軸が多少チープな感じもしますが、価格も手頃(税込450円)で、ファミリーマートあたりでも手に入るので気軽に使えるのがいいのですが、それだけではなく機能面でも気に入っています。

このシャープペンの特長は、そのものズバリの商品名「最後の1mmまで書けるシャープペン(以下「最後の1mm」)」が示す通り、最後(1mmは大げさですが)まで先端で芯をホールドするため、残り芯が少ないという点にあります。先端部はパイプではなく芯ホルダーのようなクラッチ(先端チャック式)になっており、先端ギリギリのところまでこのクラッチで芯を掴むため、芯が最後まで抜け落ちることなく書けるようになっています。このタイプの機構を持つシャープペンは、プラチナでは「ゼロシン」、パイロットでは「クラッチポイント」という商品名で売られています。「最後の1mm」を含めこの3本は、おおよその作りは同じですが、それぞれ微妙に違っています。


左: プラチナMZ-500A、右: パイロットHGWN-150R

プラチナのMZ-500Aは「最後の1mm」と同価格帯(500円+税)、パイロットのHGWN-150Rは「クラッチポイント」機構を持つ現行品では最も低価格(1,500円+税)のものです。パイロットでは以前500円のクラッチポイントが出ていたのですが、現在は廃番のようです。



この機構のシャープペンは、芯が出る際に先端が前に出ます。1度のノックで、先端チャックが閉じた状態(A)から、先端が前に出ることで先端チャックが開き(B)、その後で内部のチャックが開いて芯が出る(C)仕組みです。この先端が動く仕組みのため、芯の出具合を確認しにくく結構ストレスを感じるのが、先端チャック式の難点と言えるかもしれません。「最後の1mm」は、他の機構に比べてこの先端の動きが比較的抑えられています。また、2回目以降のノックで、(A)まで戻らず(B)の状態で留めて(B)→(C)→(B)→(C)…を繰り返せば、先端を動かすことなく芯を繰り出すことができるのですが、「最後の1mm」以外の先端チャック式シャープペンは、この(B)で留めるのが難しいように思われます。

※ちなみにパイロットのクラッチポイントは「グランセ」の機構にも採用されていますが、こちらの方は高級なだけあって(5,000円+税)作りもしっかりしており、ノック時の先端の動きも抑えられているようです。

さらに「最後の1mm」が優れている点は、他の先端チャック式シャープペンにはないクッション機構を有している点です。お手頃価格のシャープペンですが、先端チャックにクッション機構と、実に「豪華な先端」になっています。



「最後の1mm」を分解してみるとこんな感じになります。軸尾部はクリップを付けない状態で組み立て直すこともできます。また、内部パイプを切って若干短くすることで、ノックボタンの長さも調節できます。さらに、先端チャックと内部チャックの各パーツをマイクロドリルで拡げることで、0.7mmや0.9mm芯の先端チャック式シャープペンを作ることができます。0.7mm芯ならば0.5〜0.6mm、0.9mm芯ならば0.7〜0.8mmのドリル刃を使って拡げていきます。



それぞれのパーツは穴を拡げすぎると元に戻せないので、徐々にドリルで拡げ、何度か組み立ててみて、上手く繰り出せるか確認しながら作業するのが良いかと思います(個人的な経験では、削る時間が短いほど上手く行くようです)。特に、先端チャックは内部チャックと違い、実際に組み立ててみないとどれだけホールドするかが分かりにくいので、注意が必要です。



手前が現在私が使っている「最後の1mm」です。芯径は0.9mmでクリップを外し、デフォルトでは若干長めになっているノックボタンを短くしています。丸軸のためコロコロ転がってしまいますが、頻繁に使う場合はクリップなしの方が断然書きやすくなります。




最後になりますが、この「最後の1mm」の軸を見て、これは以前三菱鉛筆から発売されて現在廃番となっている、milino(ミリノ)ではないかと思われた方もいらっしゃるかもしれません。私もそう思い、文房具店を探してやっとミリノを見つけたのですが、確かに比べてみると、とりわけ手前のM5-510は見た目が全く同じように見えます。



しかしながら、機構に関して言えば全く別物です。先端チャックは「ゼロシン」と似た形で、ノック時の先端の動きも「最後の1mm」より大きく、さらにクッション機構もありません。しかも口金を外すこともできず分解もできないようになっています。形状がこれだけ似ているので、ミリノは「最後の1mm」のいわば「元ネタ」なのでしょうが、何故機構がこれだけ異なっているのかが気になります。私が持っているミリノは初期のもので、廃番になる前に「最後の1mm」と同じ機構になり、無印良品へと受け継がれたのかもしれません。そのあたり何かご存知の方は教えていただけたらと思います。

  1. 2014/06/24(火) 00:30:00|
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